水の戯れ-木管六重奏版 / JEUX D'EAU pour sextuor à vent
ラヴェルのピアノ独奏曲をフルート2本 ( 第1奏者はピッコロ持ち替え )、クラリネット2本、オーボエとファゴットが1本ずつによる木管六重奏へと編曲した作品。
ミュージック・ベルズより楽譜が出版されている。【楽譜】
L’œuvre que j’ai transcrite une pièce pour le piano de Ravel, pour sextuor à vents avec deux flûtes (le premier joueur a un piccolo), deux clarinettes, un hautbois et un basson.
La partition est publiée par Music Bells. «partition»
水の戯れ
ラヴェルによるピアノ独奏曲。1902年パリ、サル・プレイエルにて国民音楽協会主催のリカルド・ビニェスのリサイタルにより初演されている。ピアニスティックな技巧に満ちた作品であり、当時としては、かなり大胆な書法により書かれている。
ラヴェル自身「水の戯れは、私の仕事に於いて、人々が指摘する事を望んだ全てのピアニスティックな新しさの原点である。水の音、そして、噴水、滝、せせらぎに聴く音楽的な音にインスパイアされ、ソナタの第1楽章のように2つのモティーフにより構成されるが、古典的な調性に拘束されることはない。」と自伝素描の中で語っている。
マルグリット・ロンは「生き生きと湧き出る水が風や光と戯れる光景を前にして受ける感じを、極めて繊細、精緻な芸術家が記譜したもの」と評した。楽譜には、アンリ・ド・レニエの詩の引用句が掲げられており、師であるガブリエル・フォーレに捧げられている。
参考資料
- Arbie Orenstein, Ravel - Man and Musician (New York, Dover Publications, 1991). アービー・オレンシュタイン著、井上さつき訳. 「ラヴェル 生涯と作品」音楽之友社、2006年
- Marguerite Long, Au piano avec Maurice Ravel, Editions Julliard, 1971 (Pierre Laumonier). 北原道彦、藤村久美子訳.「ラヴェル − 回想のピアノ」音楽之友社、1985年
- 「作曲家別名曲解説ライブラリー11 ラヴェル」音楽之友社